キャットフードに入っていても大丈夫な添加物とは?
添加物というと、身体に悪い作用がある、とイメージする人もいるかもしれませんが、悪い作用がない添加物もあります。
人工添加物ではなく、天然の素材から作られた添加物は、身体に悪い作用はありません。
ここでは、キャットフードに入っていても大丈夫な添加物とはどんなものかを説明します。
添加物には、BHAやBHT、エトキシキンなどの人工添加物の他に、天然の素材から抽出された天然由来の添加物があります。
天然由来とは、天然の素材から抽出した成分に化学処理を加えてできた成分のことです。
キャットフードに使われている天然由来の添加物は、天然の素材からできているので、猫が摂取しても害はありません。
天然由来の添加物
トコフェロール
トコフェロールとは、脂溶性ビタミンEの化学名で、植物油やナッツ類、緑黄色野菜などに含まれています。
トコフェロールには、α、β、γ、δの4種類があり、α‐トコフェロールが抗酸化力に優れていて、一般的にビタミンEというとα‐トコフェロールのことを指します。
ですので、トコフェロールはキャットフードに酸化防止剤として使用されます。
トコフェロールは、水に溶けにくく脂に溶けやすいので、過剰に摂りすぎると体内に蓄積され、ビタミンDやKの働きを弱めてしまいます。
ですので、トコフェロールは、適切な量を摂取する必要があります。
トコフェロールは、血行を良くし、免疫機能を高め、動脈硬化を予防したり、老化やがんの予防をしたりします。
また、ビタミンCと一緒に摂取すると、ビタミンCが活性酸素と結びついたトコフェロールを元に戻し、抗酸化作用を高めます。
アスコルビン酸
アスコルビン酸は、水溶性ビタミンCの化学名です。
水溶性なので水に溶け、過剰に摂取しても体外に排出されます。
アスコルビン酸は、酸化防止の作用があり、その他にも、コラーゲンの形成の促進や免疫機能を高める、鉄分の吸収を高める、がんの予防などの効果があります。
クエン酸
クエン酸は、酸化防止剤や保存料としてキャットフードに使用されています。
柑橘類(かんきつるい)や梅干しなどに多く含まれている酸味成分で、さつまいもからも摂ることができます。
クエン酸は、尿をアルカリ性にして尿路結石を防いだり、腎臓疾患の予防に役立ちます。
また、老廃物を分解し、血液をサラサラにして動脈硬化を予防する働きがあります。
さらに、猫の被毛や皮膚の健康を保ち、美しい毛並みや毛艶を作る働きもあります。
ローズマリー抽出物
ローズマリー抽出物は、天然ハーブのローズマリーの葉や花から抽出した酸化防止剤で、キャットフードに多く使われています。
ローズマリー抽出物は、動物性油脂にも植物性油脂にも抗酸力があり、持続性が高く、ビタミンEと一緒に摂取されるとより効果が高くなります。
また、ローズマリー抽出物は、抽出する前は匂いが強いですが、抽出物になると味や匂いに影響がなく、熱を加えられても成分が変化しにくいので、製造工程で熱を加えるキャットフードに使われても効果が変わらないという利点があります。
緑茶抽出物
緑茶抽出物のカテキンは、抗酸化作用が強く、天然由来のビタミンCやE、人工添加物のBHAやBHTと同等の抗酸化成分を持つという報告もあります。
また、動物性油脂にも植物性油脂にも効果があり、ビタミンEやクエン酸と一緒に摂取すると効果が大きく上がります。
緑茶抽出物のカテキンは、コレステロールや血糖値を調節したり、抗菌、消臭、老化、がん、アレルギーを予防する、など多くの効果があります。
コーヒー豆抽出物
コーヒー豆抽出物は、クロロゲン酸やポリフェノールが含まれた酸化防止剤です。
酸化防止の他に、血液をさらさらにして動脈硬化を予防する効果があり、心臓病、糖尿病、がんの予防にも効果があります。
天然由来の添加物のデメリット
天然由来の添加物のデメリットは、天然由来の成分なので、人工添加物に比べると、酸化防止の期間が短いことです。
しかし、キャットフードを密閉、真空容器に移して保存する、量が少な目の袋を早めに使い切る、などの工夫をすれば、酸化は防ぐことができます。
まとめ
天然の素材から抽出された酸化防止剤は、猫が摂取しても害になりません。
また、酸化防止の効果の他にも身体にいい作用が多くあります。
デメリットの酸化効果の期間の短さは、キャットフードの保存方法に気をつけたり、量が少な目の袋を買って早めに使い切る、などの工夫でカバーできます。
キャットフードには、人工添加物ではなく、身体にいい作用を持つ天然由来の添加物が使用されているものを選びましょう。
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